姫 ~なくてはならないもの~






 先輩のところに行くと、べたな校舎裏に連れて行かれた。



 私は大人しく従う。






 先輩の人数は全部で5人。



 拉致られるのかなー……。




 なんて考えたら怖くなってきた。










「ねえ、もうこの辺で良いんじゃない?」









 一人の先輩が他の人に声をかける。



 他の4人も足をとめたから、私も足を止める。










「単刀直入に言うね。あんた、姫やめてくれない?」









 一人の気の強そうな人が、私の目の前に立つ。



 予想通りだ。




 手が震えてくる。怖くない、怖くない。







 ………………でもやっぱり怖いっ!!!










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