姫 ~なくてはならないもの~
ひぇえええ。怖い怖い怖い!!
そう思った私は、しゃがみこみ先輩のビンタをよける。
先輩たちが驚いている間に、横を通って振り返る。
「それでは、失礼しますね」
ペコッと頭を下げ、先ほど先輩と通ってきた道を走って逃げる。
「待てコラァ」
が、見逃してくれるはずもなく後ろから先輩たちが追いかけてきた。
もーーーー、なんで!!
後ろを見ながら走っていると、前にいる人にぶつかった。
「ご、ごめんなさい!!って一輝さん?!」
「やっと発見した♪」
一輝さんに肩を組まれる。
第3ボタンまであいたワイシャツ。香水のにおいがする。
相変わらずちゃらいな。
「あっ えっと、お久しぶりです。でもいま急いでて」
「いたわよ!!一輝様も一緒だわ!!」
「きゃあ!!」