姫 ~なくてはならないもの~







 ひぇえええ。怖い怖い怖い!!


そう思った私は、しゃがみこみ先輩のビンタをよける。


 先輩たちが驚いている間に、横を通って振り返る。







「それでは、失礼しますね」








 ペコッと頭を下げ、先ほど先輩と通ってきた道を走って逃げる。









「待てコラァ」






が、見逃してくれるはずもなく後ろから先輩たちが追いかけてきた。




もーーーー、なんで!!



 後ろを見ながら走っていると、前にいる人にぶつかった。








「ご、ごめんなさい!!って一輝さん?!」

「やっと発見した♪」








 一輝さんに肩を組まれる。


第3ボタンまであいたワイシャツ。香水のにおいがする。


相変わらずちゃらいな。








「あっ えっと、お久しぶりです。でもいま急いでて」


「いたわよ!!一輝様も一緒だわ!!」
「きゃあ!!」



< 56 / 63 >

この作品をシェア

pagetop