姫 ~なくてはならないもの~





「椛は、姫を作らない」

「え―――――――――――……?」








 そんなのありなの?


 ていうか、それなら橘だって――――――――……。








「姫何ていたら自分たちの邪魔にしかならないって椛はそう考えるんだ。
 だけど、それじゃあ決まりに背くことになる。
 だからあいつ等は、自分たちがトップを取ったら、その時姫を作ろうと考えてるんだ」







 姫がいたら、邪魔?





「あの、そもそも姫って何で必要なんですか――――――――……?」

「1校に1人、姫を作れ。女を守れてこそ最強の男だ」






 今まで黙っていた大野新が口を挟む。







「古い仕来たりみてーなもんだよ」








 それだけ言うと大野新はあくびをし、めんどくさそーに腕を組んで目を閉じた。


 こいつ、完全に寝る体制に入ってるな……。






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