姫 ~なくてはならないもの~







「でもカッコよかったんでしょ?」

「そう言う問題じゃないだってば~!」






 とちょっと強い口調で言えば、ユイはぺろっと舌を出し


 ごめん、と謝った。






「あ、ねえ、さつきさ」







 ユイは思い出したように呟いた。











「姫制度ってしってる?」
「ひめせいど………??」

「うん。橘と、楓、椛、柊、桜の5つの高校と橘、楓の2校の中学ではね
 姫は生徒から1人選ばれるの。因みにうちの学校は1年の男子からも1人生徒会に入るんだよ!
 明日その選挙があるんだって!
 あ、あと姫は学校代表として5校姫会議とかもあって………」










 ユイはそのほかにも色々喋っていた。



 めんどくさそうな制度だなー。


 大体そういうのってなれる子決まってるんでしょ?










「去年姫が一斉に卒業しちゃってね、今年にみんなかけてるんだって!
 橘の姫の決め方は、生徒会のメンバー直々に指名されるんだとか!」











 憧れちゃう!なんてユイは目を輝かせた。



 桜は女子校だし、柊は男子校。まあ桜はいいにしても男子校で姫って……。



 まー私には関係ないからいいか。










「まあユイは頑張れよー。その姫とやらになれるように」

「どっちが姫になっても恨みっこなしだからね!」










 そのまえに私は姫、目指してないんだけどなー。


 って言おうとしたところで先生が入ってきて


 私たちは体育館に向かった。








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