姫 ~なくてはならないもの~
「ふぁあ~。眠い……」
昨日、なっちゃんにまた会えるって考えただけで寝れなかったもんなー。
偉い人の話とか、みんな一緒に聞こえるし……。
「生徒会長の挨拶……」
生徒会長の挨拶何てあるのか……。
なんか、卒業式みたいだなー。
生徒会長らしき人が台に上ったのを見て、女子が黄色い声を上げた。
「棗(ナツメ)様ーっ!!」
「超カッコいい!!」
「やばすぎ!もう私鼻血でそう!」
棗……様……??なっちゃん、棗って名前だけど……。
まだ2年生だし、ま……まさかねえ~。
なんて思って台の上を見ると、いるのはさっきのぶつかった男。元いなっちゃん。
は……??生徒会長だったの?!なっちゃん。2年生で??
「あーっと、めんどい話は抜きにして。
今年の姫は俺等2年の生徒会メンバーが勝手に決めたわ」
マイクに向かってだるそうな声でそう言うなっちゃん。
ほらね、やっぱり。姫とかってなれる子にしかなれないんじゃん。
なっちゃんの声を聞いた女子は「えー」とか「もしかして私?」とか騒いでる。