姫 ~なくてはならないもの~






「ふぁあ~。眠い……」









 昨日、なっちゃんにまた会えるって考えただけで寝れなかったもんなー。



 偉い人の話とか、みんな一緒に聞こえるし……。









「生徒会長の挨拶……」









 生徒会長の挨拶何てあるのか……。



 なんか、卒業式みたいだなー。




 生徒会長らしき人が台に上ったのを見て、女子が黄色い声を上げた。










「棗(ナツメ)様ーっ!!」
「超カッコいい!!」
「やばすぎ!もう私鼻血でそう!」










 棗……様……??なっちゃん、棗って名前だけど……。



 まだ2年生だし、ま……まさかねえ~。



 なんて思って台の上を見ると、いるのはさっきのぶつかった男。元いなっちゃん。




 は……??生徒会長だったの?!なっちゃん。2年生で??











「あーっと、めんどい話は抜きにして。
 今年の姫は俺等2年の生徒会メンバーが勝手に決めたわ」














 マイクに向かってだるそうな声でそう言うなっちゃん。



 ほらね、やっぱり。姫とかってなれる子にしかなれないんじゃん。



 なっちゃんの声を聞いた女子は「えー」とか「もしかして私?」とか騒いでる。












< 8 / 63 >

この作品をシェア

pagetop