ねこにごはん【完】
*
そうして生まれて初めて真面目に作った自作弁当を手に登校した私は、やたらそわそわしながら過ごした午前の授業が終わるなり、いつも一緒に昼食をとっている友人に断りをいれてから菊地原くんのクラスへ足を運んだ。
「あの、菊地原くんいますか?」
ちょうどA組から出てきた女の子にお願いして彼を呼んでもらうことにする。
ひょこっと教室を覗くと、菊地原くんは椅子の背もたれを抱くように前後逆向きに腰掛けて、奈良くん達と楽しそうに談笑しているところだった。
そこへ先程の女の子が駆け寄って話しかける。
するとこちらを振り向いた菊地原くんは少しだけ目を丸くしてから、小走りで廊下に出てきた。
「ホントに作ってきてくれたのぉ?」
「約束したじゃない」
「てっきり冗談だと思ってた~」
「酷いなぁ。私は本気だったよ」
ニコリと微笑みかけたら、菊地原くんは「わあい」とあどけない声を出して分かりやすく喜んでくれた。
その時見せてくれた笑顔が極上に可愛くて、それだけで私はお腹いっぱい胸いっぱいである。
これでは自分のお弁当を食べる余裕があるか若干不安だ。
そうして生まれて初めて真面目に作った自作弁当を手に登校した私は、やたらそわそわしながら過ごした午前の授業が終わるなり、いつも一緒に昼食をとっている友人に断りをいれてから菊地原くんのクラスへ足を運んだ。
「あの、菊地原くんいますか?」
ちょうどA組から出てきた女の子にお願いして彼を呼んでもらうことにする。
ひょこっと教室を覗くと、菊地原くんは椅子の背もたれを抱くように前後逆向きに腰掛けて、奈良くん達と楽しそうに談笑しているところだった。
そこへ先程の女の子が駆け寄って話しかける。
するとこちらを振り向いた菊地原くんは少しだけ目を丸くしてから、小走りで廊下に出てきた。
「ホントに作ってきてくれたのぉ?」
「約束したじゃない」
「てっきり冗談だと思ってた~」
「酷いなぁ。私は本気だったよ」
ニコリと微笑みかけたら、菊地原くんは「わあい」とあどけない声を出して分かりやすく喜んでくれた。
その時見せてくれた笑顔が極上に可愛くて、それだけで私はお腹いっぱい胸いっぱいである。
これでは自分のお弁当を食べる余裕があるか若干不安だ。