ねこにごはん【完】
「うん。良い感じになった」


見栄えの良くなった花壇を見て満足感を得る。
近々役員の総入れ替えが行われ、委員会の仕事も後期の生徒へバトンタッチする形となる。
よって美化委員としての業務は今日で最後だ。

結局奈良くんは松葉杖がとれてからも菊地原くんに当番を代わってもらっていたけど、それは奈良くんの押し付けなのか、はたまた菊地原くんが進んでやったことなのか真意は定かではない。
ただ菊地原くんの様子を見る限りは、彼が自ら私に付き合ってくれているように見受けられた。
まぁ私とお昼を一緒に過ごすからには、必然的に花壇の手入れを手伝わなけばならない流れになっていたのは否定しないけれど。

軍手を脱いだ手を水道で洗ってから、いつものベンチに向かう。
天気の良好なお昼時は決まってこのベンチにいるせいか、周囲からはすっかり私達の特等席と認識されているらしい。
お陰で昼休みになってから半分近く時間が経過しているにも関わらず、ベンチには難なく座ることができた。
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