ねこにごはん【完】
口をへの字にしたまま私の顔を覗きこんでくる菊地原くん。
どうしよう。気分害しちゃったかな?
そりゃそうだよね。あんなに楽しそうに話してくれていたのに聞いてもらえてなかったら、誰だって不愉快になっちゃうよね。
不安を抱く私を見据えていた菊地原くんは視線を自分の持つクレープに移動させると、なぜかそれを私の方に差し出してきた。
「あげる」
「……へ?」
「食べたいんじゃないのぉ?」
少しだけ首を傾げた菊地原くんがニヤリと笑う。
そういう解釈をしてくれたのであれば好都合なことこの上ないんだけど。
私はお礼を告げて一口だけツナサンドクレープをもらうことにした。
「美味しい。ありがとう」
初めて食べたけど、これ意外にいけるかも。今度は自分で頼んでみようかな。
すっかり慣れてしまった間接キスを気に掛けることもなく、菊地原くんにクレープを返すと、
「そーいえばさぁ、百貨店の中の雑貨屋リニューアルしたんだってねぇ」
「そうなの?」
「せっかくだから行ってみな〜い?」
彼にとってはテスト勉強なんてものは眼中にないらしい。
一方今の私の眼中にあるのは菊地原くんだけだ。
クレープを包んでいた紙を丸めてゴミ箱に捨てるなり、私達の足は百貨店の方角を目指していた。
どうしよう。気分害しちゃったかな?
そりゃそうだよね。あんなに楽しそうに話してくれていたのに聞いてもらえてなかったら、誰だって不愉快になっちゃうよね。
不安を抱く私を見据えていた菊地原くんは視線を自分の持つクレープに移動させると、なぜかそれを私の方に差し出してきた。
「あげる」
「……へ?」
「食べたいんじゃないのぉ?」
少しだけ首を傾げた菊地原くんがニヤリと笑う。
そういう解釈をしてくれたのであれば好都合なことこの上ないんだけど。
私はお礼を告げて一口だけツナサンドクレープをもらうことにした。
「美味しい。ありがとう」
初めて食べたけど、これ意外にいけるかも。今度は自分で頼んでみようかな。
すっかり慣れてしまった間接キスを気に掛けることもなく、菊地原くんにクレープを返すと、
「そーいえばさぁ、百貨店の中の雑貨屋リニューアルしたんだってねぇ」
「そうなの?」
「せっかくだから行ってみな〜い?」
彼にとってはテスト勉強なんてものは眼中にないらしい。
一方今の私の眼中にあるのは菊地原くんだけだ。
クレープを包んでいた紙を丸めてゴミ箱に捨てるなり、私達の足は百貨店の方角を目指していた。