ねこにごはん【完】
「菊地原くんって可愛いよね」
「いきなり何それぇ?男が可愛いって言われて嬉しいと思う~?」
「あ、そっか。ごめんね」
「まぁ褒められるに越したことはないから、嬉しいっちゃ嬉しいけどねぇ」


語尾ににゃあってつけて喋ってほしいけどお願いできるはずがなくて、盗撮したいほどに愛くるしい姿を携帯のカメラに収めて永久保存したいけど、それはもっとできるわけがなくて。

悔やみながらも菊地原くんの頭から猫耳を取り去る。
もう気付かれてるか微妙なところだけど、やっぱり変人って印象ついちゃうのは嫌だしなぁ。事実なだけに。
それが理由で嫌われたりなんかしたらショックで立ち直れないかも。

でも菊地原くんは許容の心が広そうだから、それも含めて私のこと受け入れてくれるかな……って何カミングアウトしようとしてるの私!
なんて心の中で一人突っ込みを入れながら何気なく視線をやった先に、今度は猫の形をしたお弁当箱を見つけた。
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