ねこにごはん【完】
それにしても、自然消滅だなんて後味が悪い。もどかしくて堪らない。
いっそ「嫌い」と一言ハッキリ告げてもらえたら、吹っ切れられることもできたかもしれないというのに。
ただ、その分途方もないショックを受けて菊地原くん同様学校を休むハメになっていたんじゃないかと考えれば、これはまだマシな展開だったのかな。


「佳苗先輩、なんか調子悪くないですか?」


部活中も後輩からこんなことを言われてしまう始末。
クラスメイトからも散々心配されては、「菊地原くんの食生活は改善できたからもういいの」なんてそれっぽい嘘を吐き続けたせいか、精神的にも疲れが溜まっているのが本音だ。

それがこうして部活動に支障をきたすのは先輩としても問題がある。
後輩に悪い影響を与えないためにもしっかりしなきゃ。

私は気を取り直して掛け声を出した。
飛んでくるボールにストレスをぶつけるつもりで力強いアタックを決めたら、後輩は安心したように笑ってくれた。
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