ねこにごはん【完】
菊地原くんは奈良くんのカーディガンを掴んだまま離れようとしない。
まるで親にぴったりとくっつく人見知りの子供のような仕草に、やっぱり可愛いなと胸をときめかせずにはいられなかった。
そんな私の前で二の足を踏んでいる菊地原くんをじれったく思ったらしい、奈良くんが無理やり菊地原くんを引っぺがしにかかる。
「やめろぉー」と声を上げる菊地原くんに舌打ちした奈良くんが今度は彼の頭を叩いたら、中身の入ってないスイカみたいな音がした。
菊地原くんに向かってなんて乱暴な真似をするんだ、この人は。
「じゃあな。あとは二人で解決しろよ」
そう言い残して奈良くんは立ち去ってしまった。
セリフからして状況を把握したうえで菊地原くんの手助けをしてくれたようだ。
残され菊地原くんを見て、空気を読んだらしい友人も「アレ、なんかお邪魔っぽい?あたし先帰るわ!ごゆっくりー!」と慌てた様子で行ってしまう。
ひと気の無い校舎の前で菊地原くんと二人きりにさせられた私は、どうしたらいいか分からなくてただ困惑するしかなかった。
まるで親にぴったりとくっつく人見知りの子供のような仕草に、やっぱり可愛いなと胸をときめかせずにはいられなかった。
そんな私の前で二の足を踏んでいる菊地原くんをじれったく思ったらしい、奈良くんが無理やり菊地原くんを引っぺがしにかかる。
「やめろぉー」と声を上げる菊地原くんに舌打ちした奈良くんが今度は彼の頭を叩いたら、中身の入ってないスイカみたいな音がした。
菊地原くんに向かってなんて乱暴な真似をするんだ、この人は。
「じゃあな。あとは二人で解決しろよ」
そう言い残して奈良くんは立ち去ってしまった。
セリフからして状況を把握したうえで菊地原くんの手助けをしてくれたようだ。
残され菊地原くんを見て、空気を読んだらしい友人も「アレ、なんかお邪魔っぽい?あたし先帰るわ!ごゆっくりー!」と慌てた様子で行ってしまう。
ひと気の無い校舎の前で菊地原くんと二人きりにさせられた私は、どうしたらいいか分からなくてただ困惑するしかなかった。