白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
ずるい優しさ
保健室の先生に捻挫を見てもらったけど、念のために病院に行ってみてと言われた。
その日の学校帰りに病院に行ったけど、やっぱりただの捻挫。
右足首に湿布を貼られ、それが取れないように包帯でグルグル。
見た目が大袈裟になってしまい、翌日クラスメイトにすごく心配されたんだ。
まだ足を引きずって歩かないといけないし、普通に歩けるようになるまで、少し時間がかかるかもしれない。
もちろん、体育祭の練習も見学。
昼休みや放課後も練習をしているのに、あたしはグラウンドの端にあるベンチに座って見学していた。
「足、まだ痛むの?」
「……柊」
放課後、ベンチに座ってクラスメイトの練習風景を見ていたら、体育服姿で額に汗を滲ませた柊があたしの隣に座って来た。
あたしは包帯で巻かれた右足を少し後ろに引き、小さく頷く。
「中学の頃から運動苦手だったけど、捻挫するのは初めてじゃない?」
柊が心配そうに、あたしの足を覗き込む。
あたしは苦笑して、唇を噛んだ。