白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
細かい粒になった雪が、まるでシャワーのようにあたしの体に降りかかる。
あたしもお返しにと柊に雪を投げ、小学生の子供のようにキャッキャとはしゃいでいた。
「雪羽」
「うん?」
今まではしゃいでいた柊が急に真面目な声を出したので、あたしはドキリとしてつばを飲み込んだ。
「あの……さ。手……繋いでもいい?」
照れるように横目でチラリとあたしを見てきて、あたしは更にマフラーに顔を埋め赤くなる頬を出来るだけ隠した。
雪の粉がついた手を一旦スカートで拭きとり、ぎこちない動きで柊の手に近づける。
柊も、ともてぎこちなかった。
ふたりの手が触れると、一瞬、ヒンヤリした。
雪を触っていたので、氷のように冷たくなったお互いの手。
だけど、ふたり手を繋ぐと瞬く間に温かくなった。
歩きながら少し離れていたふたりの距離が、手を繋いでギュッと縮まる。