白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
柊は、あたしと離れないように何度も何度も強く握り返す。
そして、あたしを見て、ニッと笑った。
あまり身長の変わらないあたし達。
ふたりで目を見合い、微笑み合った。
後ろからあたし達を追い抜かして帰って行く友達が、繋いでいる手を見て冷やかしてくる。
今すぐどこかに隠れたい衝動にかられたけど、柊があたしをかばって友達を追い返してくれた。
「あいつら……」
だけど、柊もとても恥ずかしそうだ。
彼の横顔を見ると、ほんのり赤くなっている。
これは、寒さでの赤さではなさそう。
あたしはともてくすぐったくなって、マフラーに顔を埋めて、フフフと笑った。
雪化粧された桜の木から、風が吹く度に雪の粉が落ちてくる。
雪が踊っているようだ。