白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
借り物競走の準備の為、ハルとマキが意気揚々とテントを出て行ってから、あたしの隣に柊が腰掛けてきた。
今まで数人の男子達と後ろで話しながら見ていたのに……。
柊が来るまで大声で応援していたあたしだけど、隣に柊が来たら、少し控えめに声を出す。
応援くらい大声でしなきゃいけないのに……。
あたしは柊にハニカンで頷いて、唇を噛んだ。
あたしがやったって、たいして可愛くない動作なのに、好きな人の前だとどうしても自然とこうなっちゃうんだよね……。
「どうした? 急に大人しくなってない?」
「え!?」
早速バレてしまい、思わず声が裏返ってしまう。
あたしが目を丸くして固まっていると、柊は口に手の甲を当ててクククと笑った。
体育服の半袖から出る腕に血管が薄ら浮かんでいて、すごくカッコイイ。
「出番はまだなのに、もしかして、もう緊張してんの?」
「え!? あ、ああ。うん。そう!! ほら、あたし足もケガしてるし。治ってはいるけど、まだなんか軽く疼く気もするし」
内心がバレないように、話しを合わせようとすればするほど、焦ってしまい早口になってしまう。