白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「大丈夫、大丈夫。ちょっと痛むだけ」
力なくハハハと笑うと、柊がギュッとあたしの肩を抱いてきた。
「俺、雪羽を先生んとこに連れてくわ。歩けるか?」
「え!? あ、うん」
さっきまで足の痛みのせいで意識が飛びそうだったのに、柊があたしの体に触れると一気に細胞が活性化して目が覚めてくる。
心配そうなハルとマキに見送られ、ふたりで救護のテントへ。
自分でもよく走りきったなっていうくらいの激痛だ。
普段運動をしていないせいか、先生からはもう完治したと言われていたのに、また腫らしてしまうなんて……。
あたし、本当に高校生かな……。
体育祭の間、特別に本部席横に作られた救護のテント。
そこに柊が連れて行ってくれて、先生にあたしを預けた。
「あ~、また腫れてるね」
保健の女性の先生があたしの足首を見て、顔を歪める。
「今は湿布を貼って包帯で固く固定するから、また病院に行ってみなさいね」
「はい……。ありがとうございます」
保健の先生に応急処置をしてもらい、柊と一緒にテントを出る。