白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


チラリと斜め後ろの席に座る柊を振り返った。


「……ッ!?」


だけど、すぐに目が合ってしまい、慌てて前を向く。


どうしよう……。


あからさまに逸らしてしまった……。


あたしってどうして、自然と出来ないんだろう……。


「ねぇ、ハル」


あたしはおでこをポリポリかきながら、ハルに言う。


「あたしもバイトしたいんだけどさ、ハルのバイト先、もう募集してない?」


「え? なに? 篠原もバイト探してたの?」


ハルが、下敷きで扇ぐ手をピタリと止めた。


「うん……。バイトしてみたいんだけど、経験ないから、ちょっと不安で……」


「俺が店長に話してみようか? 誰も知り合いいないよりいた方がいいだろ?」


「うん……。その方が安心かな?」



< 137 / 297 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop