白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
チラリと斜め後ろの席に座る柊を振り返った。
「……ッ!?」
だけど、すぐに目が合ってしまい、慌てて前を向く。
どうしよう……。
あからさまに逸らしてしまった……。
あたしってどうして、自然と出来ないんだろう……。
「ねぇ、ハル」
あたしはおでこをポリポリかきながら、ハルに言う。
「あたしもバイトしたいんだけどさ、ハルのバイト先、もう募集してない?」
「え? なに? 篠原もバイト探してたの?」
ハルが、下敷きで扇ぐ手をピタリと止めた。
「うん……。バイトしてみたいんだけど、経験ないから、ちょっと不安で……」
「俺が店長に話してみようか? 誰も知り合いいないよりいた方がいいだろ?」
「うん……。その方が安心かな?」