白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「篠原の隣で、毎日こうやって力を貸してやってよくしてやるつもり」
あたしが眉を寄せてハルを見上げると、ハルは困ったように息を吐いて笑った。
「意味、わかんない?」
あたしはコクンと頷く。
「全く……」
ハルは段ボールのガムテープをバリバリバリっと勢いよくはがした。
「いいよ、今はわからなくて」
「え~? なに? 気になるじゃん!! 教えてよ」
「い~や、教えてやんない」
「うわっ!?」
ハルが、はがしたガムテープを、あたしの頬に付けてくる。
あたしの頬にぶら下がる、茶色いガムテープ。
「意味がわからないバカには教えてあげません。ってか、早くこれ補充して!!」
ハルがあたしに商品を手渡してくる。
あたしはハルからそれを受け取り、頬にぶら下がるガムテープをはぎ取った。
少し頬がジンジンする。
ハルが何を言いたかったのか、あたしには全く分からなくて、唇を尖らせながら商品並べに集中した。