白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
ハルが嬉しそうにピースをする。
「今年もみんなで行こうよ。夏祭り」
「いいね!!」
あたしがパチンと両手を叩いたところでお客さんがレジに来て、あたしは慌てて笑顔を作り、レジを済ませた。
そしてまた、ハルと話に戻る。
「今年はさ、あいつも誘うんだろ?」
「…………」
「古賀」
ハルが、真っ直ぐあたしを見る。
「……うん。誘いたいけど……」
「誘いたいけど?」
「柊、女子から人気があるでしょ? だから、もう予定入ってるんじゃないかと思って」
あたしが沈んだ声で言うと、隣から盛大なため息が聞こえてきた。
「誘えよ」
ハルの声があまりにも真剣で、あたしはドキリとしてハルを見た。
彼の目も、真剣そのもの。
「あいつに予定が入ってるかどうかなんてわかんねぇだろ? 確かめる前に諦めてんじゃ、全然前に進まねぇじゃん」
「……そうだけど」