白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
あたしがクジの入っている箱に手を入れながら言うと、更にクラスメイト達が笑い、ハルは悔しそうにギシギシと奥歯をすりあわせていた。
あたしはハルに冗談を言いながらも、内心はドキドキ。
あたしの引いたクジには一体何が書かれているのか、緊張して紙を開く手が震えてしまった。
どうしよう……。
今開ける……?
それとも、柊が開けてからにする……?
あたしは、紙を開くフリをしながらチラリと柊に目を向けた。
柊はとてもクールに箱の中に手を入れ、誰とも戯れることなくひとりで紙を開いていた。
ド、ド、ド、ド、ド、ド。
口から出てきそな心臓を、つばと一緒にゴクリと飲み込む。
「あ……俺、ヒーロー」
柊がボソリと呟き、自分で引いたクジを文化委員に渡していた。