白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
ひ、ヒーロー。
柊が、ヒーロー……。
マジで……。
クジを引いても、やっぱりヒーローは柊だという運命なんだ……。
はぁ……。
あとは、ヒロインが決まるのを待つだけか……。
「え……ユキ、あんたヒロインじゃん」
「は?」
突然、隣からマキがあたしの紙を覗き込んできて、あたしより先に見ていた。
マキの声に、女子たちがざわつく。
文化委員に紙を渡した柊もあたしの紙を覗き込み、口角を柔らかく引く。
「なんだ。ヒロインが雪羽なら気が楽だ」
そう言って、あたしに最高の笑顔を見せてくれる。
ドッキンと、心臓が浮いたよう気がした。
あたしが、ヒロイン?
本当に!?
目を見開いたまま、紙をよく見てみる。
確かに、そこには『ヒロイン』と書かれているけど……。