白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
そうできるように、昨日の夜ベッドの中でたくさん泣いたのに……。
だけどやっぱり、柊に会うと離れたくないという気持ちが増して涙を抑えることはできなかった。
好きなんだもん。
大好きなんだもん。
来年は同じクラスになって、同じ高校を受験しようって話し合って、高校でも大学でも一緒にいられると思ってたのに……。
なんでよ……。
なんで遠くに行っちゃうの?
なんで転勤なんかしちゃうの?
どうしてこの町に残ってくれないの?
柊のことが好きすぎて、こんなバカなことしか考えられない。
遠くに行っても頑張ってねって、あたしずっとここで待ってるからねって、もっと前向きなことを言えたらいいのに。
そうしたら、柊だって安心してこの町を離れることができるのに……。
だけど、ごめん……。
そんなこと、あたしにはできそうもない……。
『雪羽……』
柊の言葉に、あたしは激しく首を横に振った。
そのあとに続く言葉が、どんな言葉なのか、わかるから……。