白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
秋が過ぎて、冬がやってきた。
制服のブレザーの中に、厚手のセーターを着て、黒いタイツを履く。
着膨れなんて気にしていると、凍死してしまいそうなほど、あたしの町の冬は寒いから。
移動教室など廊下を歩かないといけないときは、マキと寄り添いできるだけ暖をとる。
12月に入ると雪も降り始め、自然と心が締め付けられる、季節が来てしまった。
白い雪を見て寂しいと感じてしまうのは、今日に始まったことじゃない。
あの時からずっと、冬になると孤独を感じ、どこかに手を差し伸べている自分がいるんだ。
だからかな……。
今年は特に、ハルとマキが、あたしの隣にいてくれてるような気がする。
現実から逃げてると思いたくないけど、実際、逃げていたのかもしれない。