白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


3学期が始まるとすぐに席替えがあり、あたしは窓際の一番後ろのクジを引き当てた。


新学期スタートから好調なスタートでテンションが上がる。


柊は、あたしと同じ列の一番前。


少し遠いけど、必ず視界に入る場所だ。


嬉しいような嬉しくないような、複雑な気持ち。


3学期になると、進路について考えることが多くなった。


まだあと1年はあるけど、3年になる前に、進路をどうするのか、確定させなきゃいけない。


早速進路希望調査の用紙が配られ、それぞれの進む道を用紙に記入してきた。


あたしは……とりあえず進学、かな?


地元の大学なら、あたしくらいの成績でも行けると思うし……。


就職しようにも、やりたい仕事なんてないし……。


ハルもマキも、地元の大学に進学するって言っていた。


同じ大学に進んで、あと少しだけみんなで一緒に過ごすって選択をしても、バチは当たらないよね?


柊は、どうなんだろう……。


頭がいいから、きっと進学なんだろうけど……。


どこを考えているんだろう……。


HRの時間、進路希望用紙を回収。


一番後ろの席のあたしは、あたしの列のみんなの用紙を集めていく。




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