白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


チラリと用紙を見ると、みんな第3希望まできちんと希望を書いていた。


だけど……。


柊だけが白紙だった。


柊から用紙を受け取って、一瞬、彼の席の横で立ち止まってしまった。


白紙……?

なんで?


まだ、進学か就職か迷ってるのかな?


迷ってるなら、絶対に進学がいいって勧めたい。


だって、柊は本当に頭がいいんだもん。


就職するなんて、もったいない。


「……ん?」


あたしがずっと柊の横で立ち止まったままだから、不思議に思った柊があたしを見上げてきた。


あたしはハッと我に返って、首を横に振る。


「ううん。なんでもない」


微笑みながら答えて、先生に提出する。


自分の席に戻って座り、ジッと柊の背中を見た。


白紙の意味はなんだろう……。


今度、聞いてみようかな。




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