白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
あたしはハルと柊を交互に見て、唇を噛む。
柊が、手の甲で口元を拭いゆっくり立ち上がった。
口の端が切れて、少し血が滲んでいる。
「柊……大丈夫?」
柊があまりにも痛そうに口元を押さえていたので、心配で彼に近づこうとすると、サッとハルの手が伸びてきて、あたしの腕を掴んで止めた。
驚いて、あたしはハルを見る。
……ハル?
さっき、ハルの気持ちを聞いてしまったから、この手を、どうしたらいいのか、わからない……。
「フン……」
ハルがあたしを止めたのを見て、柊が小さく鼻で笑った。
「お似合いだよ、おまえら」
唇に痛みが走るのか、少し口元を引きつらせながら口角を引いている。
「雪羽。この前も言ったけど、俺ら、もう終わってんだよ。だから、俺に期待されても困る」
また、心が軋んだ……。
「おまえら、そのまま付き合えよ。そしたら、俺も肩の荷が下りるから」
そう言って、柊が優しく微笑んだ。
肩の荷が下りる……?