白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


初めてだよ。


柊のことを知ってから、彼にこんなに醜い心があるんだって知らなかった。


好きだっていう気持ちだけで、彼のことを美化しすぎていたのかもしれない。


降り続く雪が、足早に歩くあたしの顔に刺さる。


風が強くて、耳も鼻も凍ってしまいそう。


だけど、あたしは逃げるように無心に早歩きをした。


このまま歩き続けて、この辛い心まで凍らせてほしい。


心臓が痛まないように、ガチガチに傷ついた心を凍らせてください。





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