白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「篠原!!」
涙を流しながらズンズン大股で早歩きをしていると、後ろから大きな声であたしの名前を呼ぶハルが近づいてきた。
タッタッタッタっと、走る音も聞こえる。
だけどあたしは立ち止まらなかった。
「篠原、待てって!!」
どんどん近づいてくる声。
「おい!! 篠原!!」
間近でハルの声が聞こえ、ガシっと、強く手首を掴まれ歩みを無理やり止められた。
あたしは泣き顔を見られないように、必死に顔を背け続ける。
「なんで追いかけて来んのよ!! ほっといてよ!!」
泣きながらの声はうまく出せず、ガラガラの声になってしまった。
「今はひとりになりたいのに!!」
あたしはハルに顔を背けながら、力強くハルの手を振り払おうとした。
その時……。
「雪羽!!」