白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
体格や声質、少し開いてしまった心の距離。
知らない人のように感じてしまうけど、木を見上げる彼の横顔を見て、こんなに心が反応する。
“好き“だと。
記憶の中の柊とはちょっと違うけど、心の中にいる柊は、まだあの頃と同じなんだ……。
あたしは柊の横顔をずっと見つめていると、ふと、彼の視線があたしに下りてきた。
彼の切れ長の目に、風に揺れる前髪が少しかかる。
柊は何も言わなかったけれど、彼の頬笑みから言葉が聞こえたような気がした。
"ただいま“って……。