白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「ごめん、ハル……。あたしにとってハルは、大切な友達だよ」
「…………」
「……ごめん」
ゆっくりと、ハルを見上げる。
ハルはとても真剣に、だけど、どこか泣きそうな表情であたしを見ていた。
寒さのせいで鼻の頭が赤くなっていて、雨に打たれた子犬のような眼差しだ。
「そんなに古賀が好き?」
ハルに聞かれて、眉間がピクリと動く。
「古賀のどこがそんなにいいの?」
柊の、どこが好きかって……?
「そんなに泣いてまで想い続けるほど、アイツっていい男か?」
あたしはまた雪で覆われたアスファルトに視線を落とした。
……正直、わからなくなった。
柊がどんな人だったかも思い出せないくらい、さっきのことがショックだった。
冷たい言葉で、あたしが好きだった柊とは違ったんだ。
あんなのは柊じゃない。
本心じゃないと思いたいよ。
”肩の荷がおりた“
柊の言葉が頭を過るたびに、激しく頭を振って振り払いたくなる。