白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
柊がこの町を去るのは、3月27日。
時間だけが、無常にも過ぎていく……。
3学期の修了式が終わった。
柊とハルとは、距離を置いたまま。
ハルとこんなに長く話してないのは、初めてだ。
3年生でクラス替えがあればいいんだけな……。
春に掲示板で3人の名前を見つけたときは、3年まで同じクラスだってかなり嬉しかったのに……。
あの時は、こんな風に喧嘩をするなんて思ってもいなかった。
今までのハルとの喧嘩はただの口喧嘩だったしね……。
これはやっぱり、何も行動に起こせないあたしの性格が悪いのかな。
だから、こうやってみんなとの関係が悪くなるのかな……。
春休みに入って、すぐに柊は出発だっていうのに、あたしはずっと部屋に閉じこもったままだった。
それなのに、スマホはずっと手に持ったまま。
「……はぁ。何やってるんだろ、あたし」
ベッドにタイブしてうつ伏せのまま、深くため息をついた。
ずっと枕に顔をうずめていると苦しくなったので、顔だけ横に向ける。
目の前には、真っ黒な画面のスマホ。
手を伸ばしてラインを開き、柊とのトーク画面を見る。