白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
ハルが呆れたように笑って、首を傾げた。
……ってことは、何?
柊は、また転校しなきゃいけないと知っていていたから、あたしをわざと遠ざけるようなことをしていたの?
あたしが柊を嫌いになれば、少しでもあたしが幸せになれるとでも思ったの?
もしそうなら、逆だよ!!
真逆だ!!
バカだよ!!
柊は、大バカだ!!
「おまえら、ただのすれ違いだよ」
「…………」
ハルが真っ直ぐにあたしを見た。
そして、すぐにスマホで時間を確認している。
「行けよ」
「……え?」
ハルが、スマホからあたしに視線を移す。
「今なら、まだ間に合うかも知れない。バスはないけど、走れば何とか間に合うだろ?」
ハルの切ない目。
だけどどこか、少しスッキリしたようにも見える。
「篠原。これ以上、俺をがっかりさせないでくれ」
「…………」
あたしがジッとハルを見つめていると……。
「俺がさっき言ったこと忘れた?」