白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
そして、早く行けと、手であたしを払った。
行こう!!
走ろう!!
駅まで、全力で!!
あたしは踵を返し、駅に向かって走り出した。
「雪で滑って転ぶなよ~!!」
後ろから、ハルが大声で叫んでいる。
だけどあたしは振り返ることなく、必死に走った。
冷たい風が、顔に刺さるように当たる。
アスファルトに残る雪が、あたしの走りの邪魔をする。
時々滑りそうになり、速度が落ちてしまう。
お願い!!
間に合って!!
柊が行ってしまう前に、伝えなきゃいけないことがたくさんある!!
今ここで伝えられなかったら、あたし達、本当に終わりだよ。
ずっと待ち続けた人なのに、このまま何の進展もなく終わってしまうなんて!!