白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「とにかく……なにが言いたいかと言うと……」
「好きだよ」
「……え?」
柊の口から出た言葉に目を丸くすると、柊はスっと立ち上がり、真っ直ぐあたしを見下ろした。
「好きだ」
強く、はっきりと、柊が口にする。
また鼓動が高鳴り出し、もう、なにが言いたかったのか、わからなくなった。
言葉が全部、飛んでいく。
「何度、忘れようと思ったか……」
柊が苦しそうに言葉を出す。
こんなに言葉を絞り出すように言う柊は、初めて見た。
「俺、この街にいれるのは、1年間だけって、最初から決まってたんだ」
「…………」
「この日が来るって分かってたから、わざと、何でもないフリをしてきた」
「…………」
「また俺ら付き合っても、結局遠距離になるから……。そしたら、また雪羽がひとりで悲しむことになる」
……柊。
「わざと遠ざけて、俺が嫌な最低な男になれば、おまえが俺のことを嫌いになってくれると思ったから」
「……そんなのできるわけ……」