白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
涙が溢れて、最後まで言うことが出来なかった。
そんこと、出来るわけないじゃん!!
こんなに好きなのに……。
何をされても、何を言われても。
やっぱり、変わらず、柊のことが好きなのに……。
「何度も何度も、雪羽を抱きしめたい想いを殺してきた。だけど……」
「…………」
「文化祭の、あのキスシーンの時は……もう、我慢の限界だった」
柊は突然俯き、クッと奥歯を噛んで顔に力を入れていた。
すぐに、彼の頬を伝った、一粒の涙。
「ごめん。あんなことして。暗闇の中だったとはいえ、みんなの前でキスして」
柊に言われ、あたしはブンブンと首を横に振る。
「勝手にキスした上に、あんなに酷いことまで言って、雪羽を傷つけた」
確かにあの時はかなり傷ついたけど、全て理由を知った今ではもう何も思わないよ。
もしあたしが柊の立場だったら、きっと、柊と同じことをしたと思うから。
相手が傷つく前に、自分のことを嫌いになってくれたいい。
絶対に、そう思っただろう。
「雪羽が俺を忘れて、叶と付き合えば雪羽が幸せになれるだろうと思ったけど……」