白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


「…………」


「思ったけど……やっぱり、無理だった」


俯きながら泣いていた柊が、涙で腫らした目で、あたしを見上げた。


「やっぱり、俺、雪羽のことが好きだから」


「……ッ!!」


突然グイっと腕を引かれて、あたしは柊の胸の中に吸い込まれた。


ガッチリと鍛えられた胸や腕の筋肉が、あたしを優しく包み込む。


とても暖かくて、その一瞬で、幸せな気分になった。


ああ……。

ずっと求めていた温もりだ……。


ギュッと強く抱きしめられる。


「最後の最後に、ごめん」


あたしは柊の胸に顔を埋めながら、首を横に振った。


「俺、ずっと雪羽の側にいられなくて、ごめん」


あたしは、更に激しく首を横に振る。


きっと、柊の服に、涙がついたはずだ。


「好きだよ。雪羽」


「あたしも!!」


あたしが彼の胸から顔を上げて見上げると、柊も瞳を潤ませながらあたしを見下ろしていた。


「あたしも、好きだよ!! すごくすごく好きだよ!!」


「雪羽……」



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