白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「何度も何度も諦めようって思ったけど、そんなこと出来なかった。だって、好きなんだもん。何があっても、大好きなんだもん!!」
柊の手があたしの目元に伸びてくる。
切ない目元が、余計あたしの涙を誘った。
その時……。
ピュルルルルルルルルル。
ホーム内に、電車到着を知らせる音が鳴り響いた。
お互い、ハッと上を見上げた。
アナウンスも流れ、電車の音が遠くから聞こえだした。
……時間だ。
もう、柊は行ってしまう……。
また、遠くに……。
「待っててくれる?」
少し焦った様子の柊、あたしの肩を強く掴んで言った。
あたしはジッと柊の目を見つめ、大きく首を横に振った。
柊が、え? と眉間にシワを寄せた。
「あたしが、行く」
「……?」
「来年、高校卒業したら、必ず柊に会いにいくから」
「雪羽……」
「ここでただ大人しく待ってるだけなんて、もう出来ない。1年間はまた会えなくなるけど、高校卒業したら、あたしが会いに行くから」