白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
ドックン。
心臓を掴まれた。
彼に笑顔の花が咲いた瞬間、寒いはずなのに、体中が熱を持ち出す。
『篠原さん! 好きです!!』
『……ッ!?』
古賀くんがグッと一歩前に出て、力んだ声を出した。
ド、ド、ド、ド、ド、ドと加速する鼓動が、あたしの全身を震わせる。
『よかったら、俺と付き合ってくれない?』
不安そうに眉をハの字に垂らして、少し上目づかいであたしを見てくる。
笑顔になったり、不安そうな表情になったり。
前から気になる存在だったけど、今この瞬間に恋心に変わった。
『うん』
どう返事をしたらいいのかわからなくて、あたしは短く小さく答えた。
可愛げがないかもしれないけど、極度の緊張で、『うん』と答えるだけで精一杯だった。