白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
古賀くんはそう言ったあと、照れたようにハニカミ、あたしの手を握る手にギュッと力を入れた。
あたしよりもほんの少しだけ身長の高い古賀くん。
彼は学ランのポケットからおもむろにホッカイロを取り出して、あたしの手に握らせた。
『手、冷たくなってるじゃん。マフラーだけじゃなくて手袋も付けなきゃ』
『そう言う古賀くんだって、手冷たいじゃん』
あたしが言うと、古賀くんはプハっと吹き出して『確かに』と笑った。
あたしもつられて、一緒にクスクス笑う。
『もうすぐ家だけど、一緒に帰ろ』
古賀くんが右手を差し出してきた。
日に焼けて、小麦色になった彼の手を見て、また鼓動が速さを増す。
男子を手を繋いで帰るとか……。
友達に見られたら、絶対冷やかされる。
『大丈夫。誰かに何か言われたら、俺が守ってやる』
不安なあたしの顔を見て、古賀くんが眉を上げる。