白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
トントンとローファーのつま先を玄関のタイルにつけ、気を引き締めて家を出る。
玄関のドアを開けると、眩しい朝日に目眩がした。
テストがあること以外は、とても爽やかで気分がいい朝。
春の生温かい風を受け、遅刻しないように足を速めた。
「おはよ! 珍しく早く着いたんだね」
教室に着くや否や、すぐにあたしの机に寄って来たマキが嫌みったらしく目を細めて言う。
「まぁ、テストだしね」
あたしは軽く肩をすくめてクールに答えたあと、ちょこんと椅子に座る。
もう既に席に着いていた柊を振り返って見たかったけど、トキメク心臓が口から出て来そうだったので大人しく座ったんだ。
マキは、その控えめなあたしの動作を見てすぐに、あたしが早めに教室に到着した理由を察したようだ。
「テスト、頑張んなきゃね~色んな意味で」
マキはそう言ってニヤけ、チラリとあたしの斜め後ろの柊に目を向ける。