白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
ドクン……。
突然、ハルが柊の名前を呼んだので、ドキリと心臓が跳ねた。
ハルの汗が引いてきたのに、今度はあたしの額に汗が滲んできた。
確かに、今日はちょっと暑いかも……。
「古賀は? テスト勉強、ちゃんとするタイプなの?」
昨日会ったばかりだというのに、ハルはもう長年の友達のように柊に話しかける。
チラリと横目で柊を見ると、少し戸惑っているようだった。
「まぁ、それなりには。かと言って、真面目にするわけでもないけど」
柊は要領がいいんだ。
中学の頃も、あたしが見ている限りでは勉強なんてしていなかったのに、いつもテストでは高得点を取って学年の順番も上の方だった。
家ではずっと勉強してるのかもしれないけど、そういう雰囲気を、全く出さない人。
ふ~んと頷いたハルは、チャイムの音に反応して嫌な表情で自分の席に戻って行った。