白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


「……外れた……」


国語と英語のテストが終了してすぐ、両手をだらりと下に垂らしゾンビのようにユラリユラリと歩くハルがあたしの席に近づいてきた。


あたしは席に座ったままのマキと目を合わせ、苦笑する。


「終わった……。山、全部外れた」


「ドンマイ。まぁ、一夜漬けなんだからどっちにしろ結果は同じだったんじゃないの?」


イタズラに笑うマキも、あたしの席に来る。


「いや、今までの俺は山はって全部当ってたんだって! 新学期早々赤点確定だわ……」


あたしの机にお尻を少し乗せたハルが項垂れたので、あたしは呆れて眉を寄せて笑う。


「篠原……。おまえ、笑ってるけど、篠原だってどーせ赤点だろ?」


「なっ、失礼な!! 今回は出来たよ! 赤点じゃないもん!!」


「ちょ~っと、だろ? 赤点ギリギリ」


ハルが親指と人指し指を近づけ、更に目まで細くする。


そんなに赤点赤点って言わないでよ!!


後ろで、柊が聞いてるかもしれないのに!!




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