白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
確かに、出来たって言っても自信のある問題は少ししかないけど……。
これでも一応、いつも以上に頭使って頑張ったんだから……。
「ハハハ」
笑い声が聞こえ、ハッとして後ろを振り返る。
すると、柊が、あたしとハルのやり取りを見て笑っていた。
「いいコンビだな」
カァっと顔が熱を持ち出したと同時に、少しだけ心が痛んだ。
本当にそう思うの?
あたしとハルが、いいコンビだって。
嫉妬とか、しないの?
あたしは、痛む胸が周りにバレないようにそっと前を向く。
柊にとって、あたしはもう、何でもなくなったんだね……。
「雪羽」
ドックン。
柊に名前を呼ばれ、心臓の周りが急に温かくなった。
まるで、心臓の周りに真っ赤なバラが咲き乱れたかのように気分が踊る。
何年振り?
柊から、名前を呼ばれたのは……。