白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


「明日に賭けろよ」


え? と、目を丸くしてもう一度柊を振り返る。


「数学。おまえ、得意だろ?」


「……柊」


グッと奥歯を噛みしめないと、すぐに涙がこぼれそうだった。


覚えてたんだ……。


あたしが、数学得意なこと。


嬉しい……。


さっきまで酷く落ち込んでいたのに、あたしってかなり単純な性格だ。


柊の言葉で、こんなにも喜怒哀楽が激しくなる。


でもそれは、柊だからだ。


彼の一言で悲しくもなるし、幸せにもなれる。


好きな人だから。


「篠原、数学得意だったっけ?」


ハルが意外だと言うように驚いて眉を上げた。


「うん!! ユキは数学の点数が一番よかったじゃん! 他のはあんまだけど」


「え~? マジで? 俺、そう言えば、篠原の点数あんま見たことないわ」




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