白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
普段ならすぐに解けそうな問題も、全く公式が出てこなくてあたふた。
そんなあたしを見て、隣の古賀くんはプっと吹き出した。
『いいよ。無理しなくて』
手の甲を口に当て、クククと笑っている。
『今は言わなくていいよ』
今は言わなくていいって……今はでしょ?
いつか言わせるつもり?
『俺より数学の点数が低かったら、その時篠原さんの本音を聞かせてよ』
『えぇっ!?』
驚きすぎて、体がのけ反る。
『だって、得意なんでしょ? 数学』
『そ、そうだけど。他の教科に比べたら少し得意ってだけで、誰も古賀くんよりいい点数とれるなんて言って……』
あたしが必死に反論してる途中で、古賀くんはあたしの鼻に自分の人差し指を持ってきてあたしの言葉を遮った。
『いいじゃん。聞きたいんだもん、聞かせてよ』
聞きたいんだもんって……そんなに可愛く言われても。
『俺、頑張るよ? 今まで以上に高得点取れるように頑張る』
『ずるいよ!!』