白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


『何がずるいの?』


『だって……。古賀くん元々頭いいのに、それなのに必死で勉強されたら勝てるわけないじゃん』


あたしは頬を膨らませて視線を落とす。


いくら得意教科でも、古賀くんには勝てっこない。


古賀くんだって、それはわかってるはずだ。


それなのに、わざとそんなこと言うなんて……。


あたしがすねて俯き続けていると、また古賀くんが吹きだしたのでムっとして顔を上げた。


……だけど、すぐに目を丸くしてしまった。


だって、古賀くんの顔、すごく真っ赤だったんだもん。


照れなが手の甲で顔全体を隠して、眉を垂らして笑ってる。


『もう、どうしてそんなに可愛いの』


カァっと、あたしもつられて真っ赤になる。


『な、何言って……』


『これは本気で勝たなきゃな』


『…………』


『でも、俺、篠原さんの本音聞いたら、幸せすぎて死ぬかもしれない』


さっきまで照れ笑いしてた古賀くんは、この緊張に耐えきれなくなったのかシャーペンを持って問題を解き始めた。


だけど、すぐにチラリとあたしを盗み見てくる。



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