白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


「……あ」


2日間による全教科のテスト終了後、階段を上る途中で柊に会い立ち止まった。


「どこ行くの?」


あたしが声をかけると、柊はあたしの1段下で立ち止まる。


「ちょっと職員室に呼ばれて。そっちは?」


「あたし? あたしも、ちょっと先生に呼ばれてたの」


「そっか」


「…………」


またしても、会話終了。


あたしはウエスト付近で手を弄び、言葉を探す。


何を言おう。

何を話せば、長く会話が続く……?


「数学の出来、どうだったの?」


「え? あぁ、出来? まぁまぁかな」


ハハっと、曖昧に笑ってごまかす。


解答用紙の空白が多くて先生に呼び出されてたなんて、言えないし……。




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