白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「出来たの?」
「え? あぁ、うん、もちろん! ほら、あたし、数学、得意じゃん?」
また曖昧に笑う。
「ふ~ん」
柊は涼しい顔で頷いた。
だけどすぐに、プッと吹きだし呆れたように眉を寄せて笑ったんだ。
「ほんっと、昔から雪羽は見栄を張るよな」
「……ッ!?」
あたしは驚いて、目を丸くする。
柊が1段下にいるので、目線の位置が大体同じ。
近くで柊と目があって、心臓が爆発しそうなくらい早鐘を打った。
「み、見栄なんか張ってないよ!」
口を尖らせ、必死の言い訳。
「ふ~ん。じゃあ、俺の方が点数よかったら、回答の空欄が多くて先生に呼び出されてたって正直に言えよな」
「なっ……」