白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「雪羽」
突然、あたしの横を通る柊に話しかけられ、ドキリと体が跳ねると同時に冷や汗が流れた。
クラスの女子達の視線が、一気にあたしに集まる。
周りの視線も気になるし、柊に急に声を掛けられたしで固まっていると、柊は困ったように笑い、あたしの前を指差した。
「前、進んでる。次雪羽の番」
「え? あ、ああ。あたしの番ね。ハハッ」
ぎこちなく足を進め、先生に用紙を渡してから身長をはかるバーに背中をつけて顎を引いた。
頭の上に小さな板みたいなのが下りてきて、「はい、158センチね」と先生の声がする。
……158センチか。
中2から止まってる……。
もう伸びることはないかもしれない……。
「158センチ? 全然伸びてないじゃん」
先生の声が大きいせいで、少し離れたところにいる柊にまで聞こえていたようだ。
ハハっと柊に笑われ、あたしは頬を膨らませる。
「いいよね~男子は身長がよく伸びるからさ~」
あたしが口をへの字に曲げて言うと、隣のマキが大きく手をあげた。