白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「あ!! もう~、遅いよふたりとも!! もうクラス発表出てるよ!!」
ハルと急いで2年生の校舎前に張り出されている掲示板の前に走ると、先についていた親友のマキが大きく手招きをした。
「悪い。全部篠原のせい」
ハルがあたしを親指で指して顔を歪める。
「あんた達、別々に登校したら? 一緒にいるとすぐ遅刻するんだから」
去年も3人同じクラスだったので、あたしとハルが一緒に登校したら殆ど遅刻することをマキは知っている。
あの木の下で柊のことを考えていると、あっという間に時間が過ぎてしまうんだ。
どんなにあの木を見上げても、柊が現れるわけないのに……。
それなのに、何度もあの頃に戻りたいと願ってしまう。
そして何故か、ハルはそんなあたしを黙って見ているんだ。
ハルには、柊のことは話してあるから、そっとしてくれているのかもしれない。